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Macネタが主のIT記事と、興味ある展覧会リストや観覧感想などを書いてますよ。自転車ロードレースも好き。

驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ @ あべのハルカス美術館




驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ | あべのハルカス美術館




展覧会:「驚異の超絶技巧! 明治工芸から現代アートへ」 大阪・あべのハルカス美術館で、あす開幕 - 毎日新聞

会期は1/26からなので混み合うよりも前の早めに行ったつもりだったが、それでも混み合ってました。国立博物館などでの大規模展ほどは並びませんけど。まあ細かい小品ばかりなので仕方ないですよね。
様々な超絶技巧の作品が展示されていたけど、結局のところ、普段身近でみかけるものを思いもよらない素材でつくってある、というものに惹かれますね。ということでやはり安藤緑山イチオシ。現代作家では前原冬樹・臼井良平など。春田幸彦は「普段見かける」からは少し飛びだしたものだったけど、どう見ても革素材なものをやきもので作っているのがすごい。
なお、あべのハルカス美術館の展示空間で外が見える状況だったのは初めてなので少し驚いた。その外光に照らされて臼井良平のガラス作品を見るのはかなり良かったです。

国際特別講演会 日本と韓国の仏画の新解釈―国宝「子島曼荼羅」と重要文化財 鏡神社所蔵「高麗水月観音図」を中心に― @ 京博




楊柳観音菩薩 (国重文指定) | 松浦総社 鏡神社


子島寺

「サムネイル」とは32400画素以下なのだそうで

おことわり

私は弁護士でも弁理士でもないので、内容に誤りが含まれている場合があります。ご注意ください。

展覧会を開催する美術館など向けの改正

今年(2019年)元日付で改正著作権法が施行されました。

この中で「アーカイブの利活用促進に関する権利制限規定の整備等」という改正項目があります。

(4)アーカイブの利活用促進に関する権利制限規定の整備等

[2]作品の展示に伴う美術・写真の著作物の利用(第47条関係)
 技術進歩に伴う見直しとして(中略)同様に近年の情報通信技術の発展により,美術館等に行く際に,施設のウェブサイトやメールマガジン等で展示作品の情報を調べることが一般的になっていることを踏まえ,展示作品に関する情報を広く一般公衆に提供することを目的とする場合には,必要と認められる限度において当該作品に係る著作物のサムネイル画像(作品の小さな画像)をインターネットで公開できること等を規定(第3項)しています。

改正前は展覧会の展示作品の情報(つまりは作品画像)に関しては、著作者の権利を侵害しないようにWebサイトには載せられなかったのですが、今回の法改正で「必要と認められる限度において当該作品に係る著作物のサムネイル画像をインターネットで公開できる」ことになったわけです。

んでサムネイル画像ってどの程度のサイズなのよ

サムネイル画像のサイズに関して、日本博物館協会のサイトで法改正ガイドラインが1/24付けで出されていました*1。そこにはサムネイルに関してこう定義されています。

(定義)

④ サムネイル
・サムネイルとは、32,400画素以下の画像を指す。

で。この32400画素以下ってのはどこから出てきたのか。
結論を言えば著作権法施行規則からです*2

第五章 著作物の表示の大きさ又は精度に係る基準
第四条の二 (略)
2 令第七条の二第二号イの文部科学省令で定める基準は、次に掲げるもののいずれかとする。
一 デジタル方式により法第四十七条の二(法第八十六条第三項において準用する場合を含む。以下この項及び次項において同じ。)に規定する公衆送信*3を行う場合において、当該公衆送信により送信される著作物に係る影像を構成する素数が三万二千四百以下であること。
二 前号に掲げる基準のほか、法第四十七条の二に規定する公衆送信を受信して行われる著作物の表示の精度が、同条に規定する譲渡若しくは貸与に係る著作物の原作品若しくは複製物の大きさ又はこれらに係る取引の態様その他の事情に照らし、これらの譲渡又は貸与の申出のために必要な最小限度のものであり、かつ、公正な慣行に合致するものであると認められること。

著作権法47条の2が挙げられていますが、これは「インターネット・オークション等の商品紹介用画像の掲載のための複製」に関する条項なのです。
展覧会出品作品紹介用の「サムネイル」を、オークション商品紹介用でのサムネイル画像と同じ画素数にするのはどうなのかなあ、と思います。もう少し細かめでもいいですよねえ。個人的にはサムネイルは320×240(76800画素)ぐらいなんだけどな。

32400画素とは具体的にどれくらいなのか

32400画素ってのは、4対3の横長画像だと207×155*4が上限なんですよね。
これは先日行った京都国立近代美術館の常設展の展示作品を撮影したものを207×155に縮小した画像です。

f:id:riocampos:20190111190915j:plain
井上永悠「楚香」
…うーむ、もうちょっと大きく掲示してほしいなあ。

おまけ:320×240だと

これぐらいになります。

f:id:riocampos:20190111190916j:plain
井上永悠「楚香」
やはりこれぐらいの画素数が欲しいなあ。

*1:策定は1/22。策定団体は(一社)日本美術家連盟、(一社)日本美術著作権連合、(一社)日本写真著作権協会、(公財)日本博物館協会、全国美術館会議、(一社)日本書籍出版協会

*2:なおこの部分の改正は平成21(2009)年に行われました。改正概要はこちら→著作権法施行規則の一部を改正する省令(平成21年省令第38号)の概要

*3:なお著作権法上の「公衆送信」ってのは

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
七の二 公衆送信 公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が二以上の者の占有に属している場合には、同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く。)を除く。)を行うことをいう。
とあります。まあインターネット公開されている状況だと思えばいいんじゃないでしょうか。

*4:207×155 = 32085画素

堺に生まれた女性日本画家 島成園 @ さかい利晶の杜

島成園展



「堺に生まれた女性日本画家 島成園」を開催いたします | さかい利晶の杜

島成園は堺出身で大阪市内育ち、その後は上村松園、池田蕉園*1とともに「三都三園」と呼ばれた、大正時代の人気「閨秀画家」です。よく知られているようにその後は松園のみが日本画界の重鎮として残り、残り二人は忘れられた女性画家になりました。
ですが成園の描き方はあるときかなりクセのある画風に変化しました、そしてその直後に結婚して表舞台から下がったために消え去りましたが、そのクセある画風は長く後まで遺るものだったわけで、おかげで今でも展覧会が開催される画家として生き残っているのだと思います。

さかい利晶の杜

今回初めて訪れました。堺市立病院跡だそうで、しかも東隣が千利休屋敷跡です。近くには与謝野晶子である駿河屋跡(道の拡幅で石碑のみ残る)もあります。
展示内容は堺市博物館と重複するところもありますが、堺の中心地における歴史を語るためにはその場所に近い方が好ましいので、この場所に施設があるのはとても適切であると思いました。

与謝野晶子記念館

建物の二階の半分が与謝野晶子記念館、残りが島成園展が行われた特別展示室になっています。

千利休茶の湯

建物の一階が千利休茶の湯館になっています。シアター部分があり、現在は15代目の楽吉左衛門が利休と堺について語る映像が流されていました。

黄金の茶室

一階廊下部分の突き当たりに、京都市から借りた「黄金の茶室」が置いてありました。


企画展「黄金の茶室がやってきた」を開催いたします | さかい利晶の杜

実は翌日からの企画展示だったようで、館の担当者が報道関係者へいろいろ語っておられましたが、黄金の茶室自体は(おそらく企画展示の状況と同様に)自由に見ることが出来ました。

喫茶

立礼の茶室があります。当日の担当は裏千家でした。
男女お二人の担当者のうち女性がお茶を点て、男性が話題を提供する、というような場を作っておられました。一人で行ったので話しかけてくれていたのだと思います。


茶の湯体験施設 | さかい利晶の杜

お菓子の銘は「やぶ椿」でした。乾いて居らず、おいしく頂きました。


立礼茶席のお菓子のご紹介 | さかい利晶の杜

天神餅さんのお店へは行きませんでした。でも近いから行けば良かったなあ。


大阪堺の 御菓子司 「天神餅」

立礼茶席で使っておられたお抹茶のお店である松倉茶舗さんへは行きました。薄茶がホントおいしかったです。

*1:松園も蕉園も読みはどちらも「しょうえん」です。

御即位30年 御成婚60年記念 特別展 国民とともに歩まれた平成の30年 @ 京都タカシマヤ



国民とともに歩まれた平成の30年|高島屋


チラシ (pdf)

天皇皇后行幸啓の写真展示よりも、その際に各地から献上された品々の展示のほうが格段に興味深かった。献上品はさすがに各地物産の一級品なので、名産のうちでもかなり良いものが選ばれていた。
一番良かったのは、中国ご訪問時に上海市から献上された玉製の楽器ミニチュアセット。
それから、サイパン島行幸啓でバンザイクリフを両陛下が慰霊のために訪れた際の写真を元にして、福田美蘭が描いた大きな絵画が良かった。両陛下の部分は線描だけ。

図録はこちら。

上記の「玉製の楽器ミニチュアセット」の写真がもっと良かったら買ってたかも。

なお、物販コーナーでは、ジーヴスが山のように並べられておりましたw 皇后さまの影響は大きいですなあw

(前略)
 公務を離れたら何かすることを考えているかとこの頃よく尋ねられるのですが,これまでにいつか読みたいと思って求めたまま,手つかずになっていた本を,これからは1冊ずつ時間をかけ読めるのではないかと楽しみにしています。読み出すとつい夢中になるため,これまで出来るだけ遠ざけていた探偵小説も,もう安心して手許に置けます。ジーヴスも2,3冊待機しています。
(後略)
1「ジーヴス」
 イギリスの作家P・Gウッドハウスによる探偵小説「ジーヴスの事件簿」に登場する執事ジーヴス

のちのち分からなくなる時事ネタなので参考リンク張っておく。

皇后さま関連書籍では

皇后さまとご養蚕

皇后さまとご養蚕

が興味深く、欲しいと思ったのだが…いかんせん扶桑社なのでパスした。扶桑社じゃなければ買ってたかもしれん。

如意ヶ嶽山中の幻の山林寺院 @ 京都市考古資料館

京都市埋蔵文化財研究所 » 速報展示「如意ヶ嶽山中の幻の山林寺院」( 1月 5日~ 2月 17日 )

 

山を削って造られた寺院も、今は朽ちて消え失せ、その名残りが鹿と猪により発掘されてしまうのでした。