子子子子子子(ねこのここねこ)はてブロ部

Macネタが主のIT記事と、興味ある展覧会リストや観覧感想などを書いてますよ。自転車ロードレースも好き。

ルーヴル美術館展終了

関西では二つのルーヴル展がありましたが、先週で一方が、昨日でもう一方が終わりました。
で、絵画中心だった京都市美術館でのルーヴル展。私の感想は

ムリーリョ http://bit.ly/1ao8q 今日観に行った京都市美術館ルーヴル美術館展で一番良かった作品。残念ながら、ラ・トゥールフェルメールも、今ひとつな展示のために台無し。
http://twitter.com/riocampos/statuses/3192891350

だったのですが、みなさまには好評だったようです。

 京都市美術館左京区)で開かれていた「ルーヴル美術館展—17世紀ヨーロッパ絵画—」(読売新聞大阪本社読売テレビなど主催)は27日、閉幕した。6月29日の開会式からの総入場者は61万8321人で、平成になって関西で開かれた美術展では最多の動員を記録した。

 フェルメールの代表作「レースを編む女」など日本初公開の約60点を含む71点が展示され、秋の大型連休なども重なり、人気を集めた。今年2月〜6月に東京で開かれた同展の入場者(85万4233人)を合わせると、147万2554人が来場した。

(2009年9月28日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20090928-OYO1T00195.htm

最終日に京都市美術館の前を通りましたが、すごい行列でした。
「関西で最多」との文言に引っかかりました。
2000年のフェルメール展にも勝ったの?
で、検索してみると、

「『フェルメールとその時代』展閉幕—感銘刻み「美少女」故郷へ」(7/3『毎日新聞』大阪版)
(今月2日,大阪市立美術館で開催されていた「フェルメールとその時代」展が閉幕した。
約3ヵ月に及んだ会期中の総入場者数は58万9000人だった)
http://www.technogallery.com/art/art-database/genkyou3/200007.htm

展覧会へ行く人が増えている、とは思うのですが、マスコミに踊らされているのではないだろうか、とも思ったりするのでした。
みなさん、あれがルーヴル美術館だと思うと、低く見すぎですよ!

一方、国立国際美術館で行われていたルーヴル美術館展ですが、

(2009年9月24日)

 大阪・中之島国立国際美術館で開かれていた「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」(朝日新聞社など主催)が23日、閉幕した。81日間の総入場者は28万528人だった。
http://www.asahi.com/louvre09/topics/

だそうです。入館者数が全てではないのだけど、ひっそりと書いてありました。
わたしはこちらのほうが良かったと思うのですけど、ね。

ちなみに、1974年に行われたモナ・リザ展@東京国立博物館は2ヶ月弱で151万人だったとか。一日あたり入館者数ではダントツなのでしょう。

最後に、オルセー美術館展を企画した高橋明也氏(三菱一号館美術館館長、元国立西洋美術館学芸課長)の言葉を借ります。

でも、そもそも、単純な数字を比較すること自体は、マネージメント的発想のみの話なのでほとんど意味がありませんよね。やはり内容を精査しなければならないはずなのですが、そういった発想自体、日本ではアカデミックな世界はおろか、美術ジャーナリズムにも90年代まではなかったですね。

ある意味、展覧会の急激な発達に見るほうが追いついていなかったのでしょうね。まともな展覧会評を書いてもらおうにも、そうした場がなかったのです。 新聞社は自分のところが主催した展覧会の記事しか載せなかったし……一般の人たちに展覧会の構成や内容の違い、質の違いを判断しろ、といったって、土台無理な話でしたよね。

その意味では、最近のインターネットを通したコミュニケーションの発達は画期的です。観覧者の生の声がどんどん広がっていくわけで、きちんとした評価の基準が世間に出来つつある、という感じを受けますよね。

もともと展覧会の内容などを判断することさえできなかった役所をはじめとする主催者だって、こういう声を無視できなくなってきていると思います。キュレーションする側にとってはある意味シビアだけれども、前よりはずっと良い環境になりつつあるのではないでしょうか。人数が稼げなくても一部に凄い反響のある展覧会というものがある、ということを判断基準を持たない人たちにも示せるようになってきたわけですから。
オルセー美術館展三部作の完結を迎えて/高橋明也