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篠沢教授による日本語と外国語の発音講義

先日、書店の語学コーナーでこの本を見かけて購入した。

篠沢教授と言えばクイズダービーでお馴染み。
wikipedia:クイズダービー
と思ったが1992年終了と言うことはもう18年も前の番組…大学生とかだと知らないんですね。*1
なのだが現在ALS(筋萎縮性側索硬化症)に罹患しておられるそうです。ALS。ホーキング博士が罹っている病ですね。ルー・ゲーリッグ病とも。
wikipedia:筋萎縮性側索硬化症
なので篠沢教授は現在お話ができないとのこと。でも心の中でフランスの歌を歌ったりしてます、とか。
そんな篠沢教授が、英仏独伊の発音について、日本語の発音と比較して解説したのがこの本。
日本語の発音のクセに基づいて、英仏独伊の発音との違いを紹介、コツなども案内してくれている。
日本語の母音の発音は全て緩い/柔らかいので、唇や舌をしっかり動かしてハッキリ発音しましょう、とのこと。
英語だと、(強弱)アクセントの部分だけしっかり発音すれば通じる。West Kensingtonに行きたい時に、タクシーの運転手に「上杉謙信」と言えば直ぐに通じたとか(笑)、進駐軍の米兵に"Are you General MacArthur?"を「アーユー蛇の目傘?」と言えば"So Am I!"と喜んでくれた、とか(笑)。
ただしこの本での難点が二点。
ひとつは例示が少ないこと。練習できるようにもっと単語を例示してくれれば有り難かった。
もうひとつは発音に関して。万国発音記号、おそらくIPA*2、を使って書いているのですが、それが現在のIPAと若干異なるので、Web検索すると全く違う内容になってしまう。篠沢教授が根拠になる表記になってしまっている。
まぁこの難点は「この本は学術書じゃない」と篠沢教授が書いているので仕方ないのかもしれませんけど。

なので、この本だけで発音が大きく改善されるとは言えません残念ながら。珍しいコツが載っている本だと思えばいいでしょう。また篠沢教授にピンとくる方は買っても良いのでは。

最後に一つだけ。
篠沢教授学習院大名誉教授だから当然なんだけど、かなり右な人なのね…取り上げる内容に違和感を感じながら読んでました…。



おまけ:IPA資料
http://www.langsci.ucl.ac.uk/ipa/fullchart.html IPA発音記号表
http://venus.unive.it/canipa/dokuwiki/doku.php?id=en:pdf IPA発音資料。日本語の発音に関してのpdfファイルもあるのだけど、正確なIPAでの表記は見慣れないと非常に違和感を感じる。