「奇想の画家・蘇仁山」(2018年1月23日 〜 2018年2月18日)
とてもクセのある画家の作品でした。
中国・清時代後期の広東を拠点にした画家・蘇仁山(1814〜50?)は、一風変わった画家として知られています。科挙に挑むものの失敗し、家族との確執を抱え、孤独を好みました。その画は力強い墨線で幻想的な独自の世界を作り出しています。画に添えた文章も難解で、ときに儒教批判を繰り広げました。生前はほとんど評価されませんでしたが、20世紀に入って広東に赴任した日本人外交官・須磨弥吉郎(1892〜1970)が積極的に収集をはじめてからは、奇想の画家として注目されるようになりました。この展示では、須磨弥吉郎のコレクションのなかから、蘇仁山の山水・人物・花鳥図をご紹介いたします。
奇想の画家・蘇仁山 | 京都国立博物館 | Kyoto National Museum
作品名 作者 |
ひとこと コメント |
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朝景図 蘇六朋筆 |
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臨弘仁山水図 蘇仁山筆 |
濃墨の線。 | |
倣呉鎮山水図 蘇仁山筆 |
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越井崗辺図 蘇仁山筆 |
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賢劫菴荘厳寺両祇園図 蘇仁山筆 |
サインペン画。 | |
百鳥万歳図 蘇仁山筆 |
個々の鳥たちはかわいいのだが、集まりすぎてヒッチコック「鳥」状態。飛蝗にも見える。 | |
双鳥牡丹図 蘇仁山筆 |
鳥(ツバメ?)正面図がかわいい。 | |
顕慶玄奘てい萊勒銘 蘇仁山筆 |
画面中央の老人たちは何を持っていて何を待っているのか。 | |
人物図 蘇仁山筆 |
柔らかい点線画。 | |
九老図 蘇仁山筆 |
ボールペン画。 | |
文宗四像 蘇仁山筆 |
上の九老図のコピペ。 | |
三老図 蘇仁山筆 |
子どもはなにを意味するのか。 |
これらの作品のうちの主役サイズであった「百鳥万歳図」に関しては、京博でも配布されていた博物館ディクショナリー奇想の画家が描いた花鳥図 百鳥万歳図(蘇仁山筆、京都国立博物館蔵)が公開されています。
なお、蘇仁山は現代のオークションでもしばしば出品されているようです。簡体字だと「苏仁山」と書きます。その他、オークションは「拍卖会」、オークションの品は「拍品」です。このあたりのキーワードを使って検索するといろいろ見れます。