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星曼荼羅の十二宮(特別展 大阪府・大阪市指定文化財展:その1)

密教で使われる星曼荼羅図である。

中央の区画である第一院には、日輪の中で白蓮華座上にある釈迦如来を描く。その周りに北斗七星と九曜星−太陽や月、惑星など−を尊像として円形の中に描く。次の区画、第二院には十二星座を表す十二宮、最も外の第三院には二十八星座を示す二十八宿の姿が円形内に描かれる。

この十二宮はいわゆる星占いで使われる十二星座と同じものである。しかし、日本の星座も中国の星座も、西洋の星座とは異なっている。中国の星座と言えば二十八宿に関連しているはず(例えば中国の星座リストなど)で十二星座なんて関係ないと思う。
しかもこの星曼荼羅南北朝時代のものらしい。となると、そのころには既に十二星座が日本に入ってきていたことになる。どうやって?
というのが展覧会で生じた疑問だった。
まずWikipediaに当たってみる。

後に仏教経典を通じてインドから中国にサインが伝えられ、さらに日本にも伝わった。
wikipedia:サイン (占星術)

…いきなり半分解決。仏教由来だった。

黄道十二宮の概念そのものは6世紀頃にすでに中国に伝わっていたとされていますが、伝統的な中国天文学では全くかえりみられませんでした。
黄道十二宮(日本・中国)(鈴木孝典准教授@東海大)

黄道十二宮の名前は…なんとなく仏典由来の名前のような気がしたので, CBETA*1 を検索してみると, 十二宮の名称を書いているものには以下のものがあった。
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日本国語大辞典』第2版をみると, 現在の黄道十二宮の名前の出典として, 吉雄俊蔵(1823)『遠西観象図説』をあげる。…現在の名称は, 仏典に直接由来するのではなく, 西洋の黄道十二宮の名称の翻訳語として, 『遠西観象図説』に使われた名前を襲っているわけだ。
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ということで、仏典を経由して極東へも西洋の星座が持ち込まれた、ということなのですね。
ある程度納得。

*1:引用者註:Chinese Buddhist Electronic Text Association:中華電子佛典協會のこと。大蔵経のデジタルデータを提供している。
CBETA 中華電子佛典協會